2011年2月8日火曜日

無味乾燥な音楽

先月所用で長崎へ行きましたが、その帰りにラジオを聞いていましたら、有名なギタリストがある番組に出ていました。この人は歌は唄わないので演奏だけなのですが、この時実は初めて聴きました。色々な人からその人の評判を聞いていたので、さぞ感動の演奏を聴かせて下さるのではないかと期待をしていたのですが、ワタシの第一印象は「コンピューター音楽」?かなぁ~・・・そんな感じでした。全く無味乾燥で何も迫って来ないのですね!寂しくもなければ明るくもなくかといって元気が出る曲でもない。じゃ下手くそかと言えば下手でもなく確かに「お上手」なんですが、何も伝わって来ない。何も伝わって来ない音楽としては秀でていると思えるのですが、何故こうした音楽が素晴らしいと絶賛されるのだろうか?

自分の好きでもないジャンルだから嫌っているように思われるのは避けたいが、どう考えても何も迫って来ない曲なんて音楽でもなんでもないと思うのです。例えばベートーベンの運命などを聴いたらきっと迫り来るものを感じないわけにはいかないと思うのですが・・・。しかし、彼の演奏のような透き通った春でも夏でも秋でも冬でも怒りでも悲しみでもない無味乾燥な音楽が好まれるのは、ひょっとしたら多くの人々の心が無味乾燥な状態になっているのか、あるいはそれを望んでいるのかも知れません。

仕事も遊びもしたくない。仕事もお金もいらない。静かにすべてに無関心に暮らしたい。恋もしたくない。人を傷つけたくないし傷つけられたくない。生きたくもないし死にたくもない。何かをすればすぐにお金がなくなり、誰かと付き合えば気疲れするし、何かを頑張れば疲れを感じるだけ。そんな時に迫り来る音楽を聴いても仕方がない。楽しい曲を聴いてもウキウキした気分にでもなれば、外へ出て何かをしたくなる。それはお金がかかるから避けたい。悲しい曲を聴いてしまうとこれも落ち込んでしまい気持ちの収拾がつかなくなるので困る。こんな時に彼の演奏するような全く無味乾燥な音楽がピッタリなのかも知れない。

ところでこのギタリストって、誰か分かりますか?今度皆さんにお会いしたときにお尋ねしますので、考えておいて下さい。

そうですね、実はワタシも本当は無味乾燥な生活がしたいですね!自動車税からも固定資産税からも消費税からも住民税からも請求があってもそれらに対して無味乾燥でいたいですね。