2012年12月30日日曜日

シーカヤックとギターの価格

昔は高いお金を出しても必ずしも性能の良いシーカヤックは少なかった。ひょっとしたらなかったのかも知れない。カヤックをするようになってもうかれこれ30年近くなるが、価格面から見てある面白いことに気づく。少し大雑把な言い方で申し訳ありませんが、価格が新艇で20万円を切るようなシーカヤックは、ワタシの目からは総合的に評価が低くお勧めできるモノは殆どないと言っても良い。

そうかと言って50万円も100万円もするような豪華カーボン艇も、材質だけは褒めないわけにはいかないが性能が値段と釣り合っていないものしか見たことがない。材質がいくら良くてもデッキ形状やボトム形状、その他に経験に基づいた工夫が施されていなければ、その金額に実質的価値を見出すことはできない。

不思議なことに30万円前後~40万円前後の価格帯のシーカヤックの中に、優れたモノがいくつか見られる。もちろんこの金額を出せば必ず優れモノが手に入る訳ではないので、経験も知識もない方がよいカヤックを選ぶのは至難のワザかも知れない。また良いカヤックを手に入れてもそれを操作する能力がなければ、宝の持ち腐れになる可能性もある。

しかし、性能の良いカヤックを手に入れたら練習好きの方にはメリットが一杯あるに違いない。軽くて速くて安定が良くて復元能力も高い性能ならば、乗り手の意欲を増幅させてくれるはず。

ところでギターも似たようなことが言えるのではないかと・・・。まだ超初心者で何も知らないのに近いビギナーであるにも関らず偉そうなことを書きますが、定価ベースで見ていくとやはり30万円から40万年クラスのギターの中から選ぶのが、いやもちろんビンテージで100万円200万円するモノもシーカヤックと違って凄い魅力を感じるが、我々レベルの初心者には一番適しているように「想像」する。

ギターの場合、我々初心者でも持って触ってみるとすぐに感触が伝わって来て、良いのは持ちやすく弾きやすく指に負担を感じさせない。100万円出したからと言って必ずしもそうした総合的な性能を持っているとは言えないので、また非常に良い音が出るとしても物凄く弾き難いモノもあるようだから、こういう金額はある種音楽以外の観点からの価値(骨董品的価値)も含まれているのかも知れない。

最近は安くて良い形のギターが一杯楽器店に並んでいるのを見ますが、ひょっとしたら20万円以下で凄い良いのがあるのかも知れないが、まだワタシはお目にかかったことがない。今ワタシが持っているK-YAIRIのG1-Fは定価は確か10万円弱ですが、サイズやネックや握り感はベストだが、音が伸びないし奥行きがない。もっと弾きこめば良くなるのかも知れないが・・・。

また別の方のD-18のビンテージ(24万円くらい?)を弾かせてもらったことがあるが、これは音は非常に良かったのだが、ネック感がワタシ的には不合格だった。ギターを抱いたときのフィット感と玄を鳴らした時の心地よい響きの両面で納得いくモノを見つけようとするときに、感覚的ですが、やはり30万円~40万円クラスになるような気がする。

ところで、いくら練習をしてもなかなか「進歩」を感じさせてもらえないもどかしさに落込むことしばしばなのだが、少しでも成長しようと思うと、やはり練習は欠かせない。そしてこの練習を楽しくさせてくれるのは、本人のやる気もさることながらギターの扱いやすさと音の響きの心地良さが重要だと思う。ヘタクソなりに演奏にのめり込むことができるか否かは偏にギターの品質にかかっていると思う。

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マーチン00028 定価42万円

今使っているD-28はボディが大きく肩をやられているので「発表会」の直前にしか使っておらず、ちょっともったいないが、これはこれで持っておきたい。今度の00028はまだ手元には来てないが、このサイズなら長時間練習をしても肩に負担が来ないはず。最近分かってきたことは音の世界に慣れてくるのに、音痴なワタシの場合は2~3時間はプレプラックティスが必要で、ドレッドノートだとその時点で疲れが出てしまう。

新しいギターで新しい手がかりをいくつか増やしたいものだ。