2008年6月23日月曜日

汐見島探検ツアー その1

梅雨時のツアーで、雨を心配するのも変な話ですが、土日の天気が少し気になっていました。ほぼ予報通りの天気でしたが、日曜は夜明けと共に雨も上がり、結局は土日とも昼間は曇った状態で、ツアーには最適の気温でした。土曜日の夜中はずっと降り続けていましたが、テントの中は快適そのものでした。

暑くなく寒くなく風もなく非常に穏やかな海上を心地よくパドリングできました。いつも見慣れた光景ですが、この梅雨時独特の「山水画」の瀬戸内海を堪能しました。この時期にもっとも気を付けなくてはならない状況は、雨が降った後のガスの発生で視界がすこぶる悪くなることでしたが、幸いにも往路は全く問題ありませんでした。

参加メンバーは、いつもレンスー熱心な常連メンバーの方ばかりでした。常連メンバーでなくてはならないということでは決してありませんが、今回はたまたま常連の方ばかりでした。海が荒れても、潮流が大河のようになっても、強風が吹いても、転覆の可能性はゼロまたは数パーセント。1日に30~40kmは問題なくパドリングもできるし、島に少しの空きスペースがあれば、どこでもビバーク可能な経験を積んでいます。 こうしたカヤック経験や技術をしっかり身につけたメンバーと一緒に出かけるツアーは、行きも帰りもパドリングの心配をしなくて良いから、その意味で非常に気が楽でもあります。誰か沈脱しないだろうか、どこかでパニックに陥らないだろうか、疲れは大丈夫か等と、心配する必要はほとんどありません。カヤックツアーに出かけて行くときに、キャンプ地を予めどこにするかは決めて行きます。そしてその場所に、どのような付属施設があるのかないのか予め調べておきます。以前に初心者を連れたツアーを遂行しているカヤックガイドに、「どこか良いキャンプ地はないですかと」尋ねられたことがあります。それも出航地からそう遠くない島々を右往左往しているような感じで、アバウトなガイドもいるものだと驚いたことがあります。
航路横断の直前ですが、だいたいの航路の位置関係とやって来る船舶のバウラインに着目します。航路横断のポイントは航路に近寄りすぎず、離れすぎずです。それと間違っても宇野港や高松港を利用してはいけないということを、これからカヤックを始められる方は頭に叩き込んでおいて下さい。それと航路横断するポイントは、法律で定められているわけではありませんが、どこでも良いということではありませんので、安易に真似をしないで下さい。


航路を横断して、島をいくつか経由して、小豆島の近くまで来ました。不思議なことに、ダイレクトに行くより遠回りをして行く方が早く着くような気がしました。1日に30kmから40kmも漕げるシーカヤックだが、やはりそれなりにレンスーや訓練をしないとなかなか難しいような気がします。初心者にいきなり30~40kmを漕がせるのは無謀でしょう。また危険が伴います。だからといって、フェリーを利用したカヤックツアーをするのも大いに疑問に思います。それは、お金儲けではあっても、神聖なるアウトドア活動とは、かなり酷くかけ離れているように思えて仕方ありません。シーカヤックと人間に対する可能性を否定していると同時に大いなる冒涜ではないかと思うのです。
フェリーを利用したカヤックツアーやそうした行為が陥る危険な港湾利用のカヤックツアーは、引いては危険時期ツアーにも発展する理由は、ワタクスにはよく分かりませんが、カヤッキングを楽しむ基本的スタンスが、本質からずれると、そういった傾向が強くなるのでは・・・と危惧しなくてはならない状況が年々強くなっていくのを感じます。これはジェットスキーの暴走行為や騒音などの迷惑行為よりも更に悪質と考えざるを得ません。更に問題な点は、迷惑をまき散らすジェットスキーの連中でさえ、自分たちが良いことをしているというよりも、どちらかと言うと肩身の狭い思い(?)で乗っているようですが、備讃瀬戸でのシーカヤッカーの三位一体的悪行は、やっている連中が「善行」だと思っているところが、悲しいというか情けない。しかも、尚悪いことに、一般のカヤッカーではなく、業者が中心になってやっていることに、憤りさえ感じずにはおれません。

このツアーとは関係ないことばかり書いて申し訳ありませんが、ツアー中ずっとこういうことを考えていました。ワタクスがカヤックスクールを止める最大の原因のひとつが、この三位一体的悪行が備讃瀬戸で行われているという現実。カヤックスクールを止めて、何をするのかはお楽しみに。まずどこの業者が、誰がやっているのかを、できるだけ一般の方々に知って頂くつもりです。もう完全に腐ってしまった業者に話しても始まりませんからね。 我々は、早々と目的地に到着して、テントを張り食事をしてから、早速大きな入り江でレンスーを始めました。何故ツアーに出かけてまで練習ではなくレンスーをするのですか?そんな疑問をお持ちの方もいるでしょう。それはツアーをより一層楽しくするからとお応えしておきましょう。またレンスーはすればするほど「水の心」が分かって来ます。「水の心」が分かれば、「人の心」もより分かって来るような気がします。そして何よりも、フェリーなどを利用したりする気持ちは、なくなることはあっても湧いてくることは1000%ないでしょう。また港湾からカヤックを出すような行為は超愚かであることに気が付くでしょう!

続く