2008年6月30日月曜日

雨天曇天極楽レンスー会

雨天曇天極楽レンスー会

だいたいツアーの翌週は、閑古鳥が鳴いて、ひとりか多くても二人程度の参加しか見込めないが、この週末は、色んなことが重なり、纏まったメンバーにお集まり頂きました。そして、やる気充分の新人の方も交えて、当然のことながら一杯お喋りもしながら、非常に楽しい1日となりました。また田中さんのお陰で、土曜日の夜は素敵な焼き肉ミーティングとなりました。
いよいよ転勤が決まった倉橋さんですが、最後のギリギリまでご登場頂き有り難うございました。また新しい生活環境で、公私ともにご活躍下さい。カヤックに関しては、こちらでレンスーしたことが、地元に戻られてから、色んな場面で活かされることを期待しています。仕事が落ち着くと言うことはないと思いますが、一区切りがつきましたら、また極楽島レンスー会で一緒に食事をしましょう!
脇田さんは、先週まではケブラーラサでレンスーをして頂いていましたが、今回はケブラーシオンに乗って頂きました。この日参加5回目をむかえましたが、ちょうどツーリング基礎コース終了と言ったところでしょうか。順調に階段を上られています。基本ロールの成功確率から、次回は新しいステップへ入れると思います。6回目にしてリエントリーに突入します。
これまでカヤックに何回かは乗ったことがあるという初参加の新人の方のレンスーの一コマです。午前10時頃から始めて、この段階まで来るのに、約5時間くらい。この間には、基本レンスータイム・ランチタイム・お喋りタイム・休憩タイムも含まれます。
何のレンスーをしているのかは詳しくは説明しませんが、ロールの組み立て指導の一部とだけお話しておきましょう。
常に前進あるのみの西脇さんのレンスー姿勢は、昼間からビール飲んで昼間からゴロゴロしている連中に食べさせてあげたいです。上手くいっても失敗しても、一定の休憩時間を挟んで新しい技術に挑戦する姿は、素晴らしいです。次回はどれだけ力を抜いて上がれるかを念頭にレンスーしていきましょう! 最近新しくやって来られる方々は、どなたも「まず基礎からみっちり教えて下さい」と言われます。昔は経験も基礎もないのに体力があるしアウトドア経験があるから、いきなり鬼ヶ島へ行きたいとか、小豆島へ行きたいとか言って来る方がおられました。カヤックの場合は、アウトドア経験や体力は重要な要素ではありますが、それだけでは無謀なツアーになってしまいます。もちろん判断力があれば技術は不要ということは絶対にありません。カヤックの基礎技術はいくら積んでも積み過ぎと言うことは決してありませんので、これからカヤックを始めようという方は、是非ともしっかりした基礎技術を身につけて頂きたいと思います。基礎技術に経験や判断力が伴えば、フェリーを利用するツアーなんて考えは100%生まれません。

お休みは確保していたにも拘わらず、先週のツアーに行けなかった田中さんは、その分を取り返すべくラサ-Xを、何度も何度も裏返しておられました。レンスーの楽しさ面白さをご存じない方が、その光景を見たらきっと思うでしょう。何故そんなに転覆復元を繰り返すのか?と。その答えは、見えないラインが見えてきたからですと、答えておきましょうか?!
我々が毎週のようにレンスーしていることを自慢するつもりは全くないが、カヤックツアーに出かける前に、ほとんど練習らしき練習をしないで、すぐにツアーに出かけるところが結構あるように見受けられます。個人にしろ倶楽部にしろスクールにしろ、ツアーに必要なパドリング技能&技術について、もっともっと考えてみる必要があるのではないだろうか?カヤックの本当の楽しみがどこにあるのか、特にカヤック業者は真剣に考えるべきだと思います。
ヘルメットに何やら装置を取り付けてレンスーしているのは、誰あろう茨木さんですが、このところのラベルアップの度合いは目を見張るものがあります。昨年の今頃ロングロールで苦労していたのが、ウソのようです。先日の汐見島ツアーの時は、ワタクスが眠っている間に、初ハンドを決めてしまうし、いつのまにか知らない内にダウンワドロングもすんなり上がるようになるし・・・ここまで来れば、どんな事情でラベルダウンしても、また元に戻れるラインは確実になったのでは・・・。
色々な技術を習得すると、すぐにツアーへと考えるべきではありません。その前にその技術を色々な状況で検証していかなくてはなりません。潮流が流れているエリアで、激潮部で、波打ち際で、沖合で、という風にレンスー環境を変えて、色々な技術を試してみるべきだと思います。もし激潮部でできなければ、それは完成された技術ということにはなりません。ロールやバランス技術なども、こうした荒れた海でできなければ、意味がないとは申しませんが、実践では使えない技術と言うことになります。
午前8時30分にスタートしたスクールは、夏場は午後5時30分から6時頃に終了します。上記写真はカヤック撤収中ですが、ヘロヘロになっている方はひとりもいません。およそ1日の実質レンスー時間は、4~5時間です。少ない人でも2~3時間はレンスーします。そしてその練習方法は、連続的ではありません。断続的です。カヤックスクールだからカヤックだけの話をしている訳ではありません。
ワタクスはいつも変な思いつきで変なポーズを要求してアクティブな写真を撮ろうとしていますが、この日は何をイメージしてポーズを要求したのか、思い出せません。でもまぁ何かを楽しんでいるオブジェのようなポーズに、この日一日が非常に楽しかったことを物語っていればそれで良いかな・・・と思っております。またこんな意味不明な写真を見て、何か楽しそうだなと感じられた方は、是非ともCSCの門を叩いてみることをお勧め致します。

2008年6月24日火曜日

汐見島探検ツアー その3

一見して海は、どこを漕いでもどこを進んでも良さそうに見えます。物理的には、どこでも漕いで行ける訳ですが、実際はどこでもという訳にはいきません。フェリーにしても貨物船にしても漁船にしても、だいたい決まったルートを進んでいるのではないでしょうか。いつもよく見かける釣り客を乗せる渡船にしても、いつも決まったコースを行ったり来たりしています。ワタクスはシーカヤックでも同じようなことが言えると思います。フェリーや貨物船よりは遙かに自由が利きますが、そして色んな場所へ上陸できますが、そうかと言って好き勝手にコースを決めてツアーをするのはどうかと思うのであります。

航路横断にしてもしかりです。その日の天気や海の状態、そしてメンバーの技量に合わせて横断ルートが決まって来ます。ある場所は西からの船舶が猛烈に追い抜きをかけてくる場所であったり、また他の場所はターニングポイントであったり、逆走の大型船がやって来る可能性がある場所であったり、航路と激潮部が錯綜する場所であったりと、海は場所によってその特徴が異なります。また同じ航路であっても船舶によっては、基本線よりも外であったり内であったりしますので、その辺の状況判断が非常に重要です。浦富シーカヤック倶楽部会長のカヤックはノーライトデザイン社製:ケブラーチニータです。このカヤックはラダー付きシーカヤック:ツカーラから誕生したグリンランドタイプのカヤックです。ラダーもスケッグもありません。必要ありませんと言った方が良いかも知れません。チニータの特徴は、荒れた海でその威力を発揮します。もちろん全くパドリング技術がない方が、自由自在という訳にはいきませんが、基本的パドリング技術をマスターしている方であれば、パドルの動きに非常に敏感に反応してくれます。デッキを低く抑えてありますので、強い風が吹いてもその影響を受けにくい構造になっています。日本海の荒れた海にも対応できる性能を持った優れもののカヤックです。
未来の袖ヶ浦シーカヤック倶楽部会長のカヤックは、これまたノーライトデザイン社製のシオン-Xです。フルカーボンシーカヤックで重量は僅か14kgです。グリンランドタイプのカヤックですが、初期安定は非常に良く、少し傾けると、一定の角度でピタリと止まります。そして長さは470cmですが、荷物を満載してもスピード性能は全く衰えず、シャープで快適です。更にロールなどの習得にも非常に適したカヤックで、ハンドロールなども非常にやりやすいカヤックです。チニータ同様強風の影響を受けにくく、荒れた海でも安定した漕行性能を持っています。
CSC広島支部長のカヤックは謎のブラックキャットと言うことにしておきましょうか。常に多方面に渡り研究熱心なことは、もう誰もがご存知ですが、今回は新兵器でのディナーを大変ご馳走になりました。シシトウにシャウエッセンに竹輪にその他色々とご馳走になりました。お陰で僕は元気ですって、昔誰かが歌っていましたが、コンパクトカヤックにあれだけの準備はなかなか大変だったと思います。 レンスーに関しては、20mCPC挑戦の時に見ていなかったのが、心残りですが、是非また五兆千下さい。背泳CPCも見たいものです。
辺りは少しガスってはいますが、ベタ凪ぎ状態の瀬戸内海です。朝食を早く食べたせいか、お腹が空き空きになり、フロントハッチ内から食料を取り出している香川支部長。帰りの支部長のパドルは僅か2mのツイギィパドルでした。ブレードはノーマルでいわゆるストーム系のパドルです。これはレンスー用でもありますが、予備パドルにもなります。通常パドルだとスピードを出し過ぎるので、この予備パドルで、戻って来ました。それでも他の皆さんよりはまだ速いのですから何というパワーなのでしょうか!
汐見島ツアーは毎年実施しておりますが、今年もまた新鮮な内容でした。いつものメンバーもいれば新しいメンバーもいます。そしてフェリーも使わなければ、港湾からの出艇も絶対にしません。小さな海水浴場から出航して、小さな浜へ向かいます。その浜には、何もありません。お店もなければ、宿もありません。そこへ行くために、あるいはまた別の島へ行くために、常に我々はレンスーを心がけています。セルフレスキューができない人は、参加できません。ちょっと風や波があるとフラフラする人は、絶対に無理です。しっかりレンスーして技術を磨き、もちろんそれがすべてでは無いことは、メンバーの誰もが知っていますが、コツコツと技術や経験の積み上げを意識している人達と行く場所は、実はどこでも楽しいと思うのです。今回もまた非情に有意義な2日間でした。 ワタクスも昔は非常に長いカヤックや大きなカヤックに乗っていました。それは実は何も知らなかったからです。大きなカヤックだといっぱい荷物が積めますし、長いカヤックだと一般的にスピードが速いし、それがまた格好良いとも思っていました。それはまだノーライトデザイン社のカヤックに出会う前のことでした。しかしノーライトデザイン社のチニータに出会ってからは、カヤックに対する考えがガラリと変わりました。それまでにも小ぶりなカヤックは持っていましたが、とにかく自分には全くサイズが適合していませんでした。帯に短し襷に長しと言った感じで、しっくり来るカヤックは、ありませんでした。
昼頃の撮影でしたが、少し空が晴れて明るくなりました。上記写真のカヤックはラサMSですが、これが今もっともCSCにおいて普及しているカヤックでサイズです。このサイズですと、かなり小柄な方から大柄な方まで対応できます。長さは僅か485cmで幅は57cmです。しかしカヤックのボリュームはとても小さく抑えられていて、重量もケブラーで17kgです。ケブラーと言えばカレントデザイン社などのケブラーのように樹脂をべた塗りして結果として、FRP製のカヤックと何ら変わらない重いカヤックを想像される方が多いと思いますが、ノーライトデザイン社の特殊加工で非常に軽く仕上がっています。そしてケブラー特有の超まろやかな動きを味わうことができます。
我々は予定よりも島を早く出発して、昼過ぎにはいつもの極楽島に戻って来て、昼食後にはまた荷物を降ろして、レンスーを楽しました。ワタスは身体と心に支障を来しており、またしても熟睡しておりましたが、時折香川支部長の大きな声が聞こえていました。昨夏ロングロールを覚えたばかりの茨木さんのハンドロール初上がりの歓声だったのです。また皆さんそれぞれがそれぞれの課題にアプローチをして、新たな課題を見つけられたことと思います。

今回のツアー中に考えていたことは、カヤッキングはどうあるべきかを考えず、お金儲けを優先して考えると、将来は規制ばかりがかけられて、カヤックではもうどこにも行けなくなる可能性は充分にあるということ。カヤッキングに最低限必要な技術と経験とは・・・?カヤックツアーはどうあるべきか?カヤックスクールは何をどのように教えるべきか?カヤックガイドはツアー催行の以前にアウトドア活動がどうあるべきか?をプロの業者はもっともっと真剣に考えて頂きたいということ。安易なシーカヤックツアーがもたらす結果は、公園の遊園地の池以外は乗れないと状況を作りだしてしまう可能性があるということを、一度真剣に考えてみて頂きたいと思うのであります。

汐見島探検ツアー その2

目的地に到着して、テントを張り休憩していると、ワタクスはいつの間にか眠りに落ちてしまいました。気が付くと既に皆さんは入り江でレンスーモードに突入していました。そんなときには、一体誰が教えるンですかって疑問の方もおられるかも知れませんが、技術体系や指導体系がある程度整えば、いつもいつも誰かが指導していなくてはならないということは全くないのです。各自がそれぞれのテーマに向かってやるべきレンスーを少しずつこなしていけば良いだけの話なのです。
いつもストレッチに励む香川支部長殿ですが、それほどの長時間は必要ないとのこと。ワタクスはかなり長時間のストレッチをしているが、なかなか身体が柔らかくならない。身体が柔らかいとカヤックの色んな技術を吸収するのに、非常に役立ちます。柔らかければそれで良いというものではありませんが、柔らかいとそれだけ吸収する時間が短時間で可能となります。
カヤックのレンスーを終え着替えを済ますと次は、ハーモニカレッスンの指導を受けられる方もいました。ハーモニカの先生は、いつも合宿やキャンプツアーの時に、心に染みいる素敵な曲を演奏して下さる絹本さん。習っているのは、ハンドロール完成まであと僅かの段階にまで到達した茨木さん。何でもそうだと思うのですが、何かに取り組むときには、やはりその世界に入り込む努力が本当に大切ですね。しかも、基本事項をみっちりレンスーすることも。
天気予報では日曜は昼頃まで雨模様ということだったのですが、有り難いことに夜明けと共に雨は上がりました。前夜のミーティングでは昼頃の出航予定でしたが、予定変更して10時過ぎには島を後にして、帰還することになりました。 今回使用したカヤックのサイズは、長さが4.8mくらいで幅が55cm~57cm、重量は14~17kgの超軽量コンパクトカヤックです。すべてノーライトデザイン社製のものです。1泊2日から2泊3日程度のキャンプツアーなら、この程度のサイズのカヤックで充分です。
一晩降り続けた雨は、夜明けとともに上がり、帰りも心地よいパドリングをすることができました。沢山の水分が蒸発し始めて辺りはガスが立ちこめて視界が若干悪かったのですが、航路横断には支障はなく、スムーズに戻って来れました。もう少しガスっていたら、航路の横断は時間をずらす必要があったでしょう。他のカヤッキングエリアのことは良くは知りませんが、この備讃瀬戸エリアでは、梅雨時はカヤックツアーにある意味で適した時期と言えるでしょう。もちろん豪雨や雷は避けなくてはなりませんし、強風波浪も嬉しくはありません。しかし、だいたいこの時期は雨が降っても長引かず寒くなく、海水温度も暖かいので、過去に於いてあまり苦労した記憶がありません。ワタクス個人的には真夏の炎天下のツアーよりも、こうした曇り空の天気の時の方が、ツアーは気持ちよいと思います。
我々は通常の週末は、往復5km~8km程度の距離しか漕いでいません。片道2~4km程度です。往復に要する時間は30分から60分程度ですが、これは一種の準備運動と整理運動と考えています。もちろんツアーのレンスーにもなっています。そしてレンスー島では、いつも色々なレンスーをしています。各自のテーマに従って、段階的にレンスーを継続していきます。この汐見島ツアーも、そうした日頃のレンスー基盤の上に初めて成立しています。
雨上がりの幻想的な風景です。こういう景色を見て、オラもワタスも行きたいと感じられる方が沢山いるなら嬉しいですが、レンスーもせず、基本技術もマスターせず、ただただインチキガイドのいいなりになって、どでかいカヤックを用意され、いきなり遠出をするようなことだけは絶対に避けて欲しいと思います。セルフレスキューはもちろん、転覆したら確実に起きあがれる技術を最低でも1種類以上はマスターして、1日に20~30kmは楽勝でパドリングできる程度の状況は創り出してからでも決して遅くはありません。カヤックのレンスーはいくらやってもし過ぎるということは絶対にありませんので、自分の命を守るということだけでなく、カヤッキングの本当の面白さや楽しさを見つけて頂きたいと思います。

続く

2008年6月23日月曜日

汐見島探検ツアー その1

梅雨時のツアーで、雨を心配するのも変な話ですが、土日の天気が少し気になっていました。ほぼ予報通りの天気でしたが、日曜は夜明けと共に雨も上がり、結局は土日とも昼間は曇った状態で、ツアーには最適の気温でした。土曜日の夜中はずっと降り続けていましたが、テントの中は快適そのものでした。

暑くなく寒くなく風もなく非常に穏やかな海上を心地よくパドリングできました。いつも見慣れた光景ですが、この梅雨時独特の「山水画」の瀬戸内海を堪能しました。この時期にもっとも気を付けなくてはならない状況は、雨が降った後のガスの発生で視界がすこぶる悪くなることでしたが、幸いにも往路は全く問題ありませんでした。

参加メンバーは、いつもレンスー熱心な常連メンバーの方ばかりでした。常連メンバーでなくてはならないということでは決してありませんが、今回はたまたま常連の方ばかりでした。海が荒れても、潮流が大河のようになっても、強風が吹いても、転覆の可能性はゼロまたは数パーセント。1日に30~40kmは問題なくパドリングもできるし、島に少しの空きスペースがあれば、どこでもビバーク可能な経験を積んでいます。 こうしたカヤック経験や技術をしっかり身につけたメンバーと一緒に出かけるツアーは、行きも帰りもパドリングの心配をしなくて良いから、その意味で非常に気が楽でもあります。誰か沈脱しないだろうか、どこかでパニックに陥らないだろうか、疲れは大丈夫か等と、心配する必要はほとんどありません。カヤックツアーに出かけて行くときに、キャンプ地を予めどこにするかは決めて行きます。そしてその場所に、どのような付属施設があるのかないのか予め調べておきます。以前に初心者を連れたツアーを遂行しているカヤックガイドに、「どこか良いキャンプ地はないですかと」尋ねられたことがあります。それも出航地からそう遠くない島々を右往左往しているような感じで、アバウトなガイドもいるものだと驚いたことがあります。
航路横断の直前ですが、だいたいの航路の位置関係とやって来る船舶のバウラインに着目します。航路横断のポイントは航路に近寄りすぎず、離れすぎずです。それと間違っても宇野港や高松港を利用してはいけないということを、これからカヤックを始められる方は頭に叩き込んでおいて下さい。それと航路横断するポイントは、法律で定められているわけではありませんが、どこでも良いということではありませんので、安易に真似をしないで下さい。


航路を横断して、島をいくつか経由して、小豆島の近くまで来ました。不思議なことに、ダイレクトに行くより遠回りをして行く方が早く着くような気がしました。1日に30kmから40kmも漕げるシーカヤックだが、やはりそれなりにレンスーや訓練をしないとなかなか難しいような気がします。初心者にいきなり30~40kmを漕がせるのは無謀でしょう。また危険が伴います。だからといって、フェリーを利用したカヤックツアーをするのも大いに疑問に思います。それは、お金儲けではあっても、神聖なるアウトドア活動とは、かなり酷くかけ離れているように思えて仕方ありません。シーカヤックと人間に対する可能性を否定していると同時に大いなる冒涜ではないかと思うのです。
フェリーを利用したカヤックツアーやそうした行為が陥る危険な港湾利用のカヤックツアーは、引いては危険時期ツアーにも発展する理由は、ワタクスにはよく分かりませんが、カヤッキングを楽しむ基本的スタンスが、本質からずれると、そういった傾向が強くなるのでは・・・と危惧しなくてはならない状況が年々強くなっていくのを感じます。これはジェットスキーの暴走行為や騒音などの迷惑行為よりも更に悪質と考えざるを得ません。更に問題な点は、迷惑をまき散らすジェットスキーの連中でさえ、自分たちが良いことをしているというよりも、どちらかと言うと肩身の狭い思い(?)で乗っているようですが、備讃瀬戸でのシーカヤッカーの三位一体的悪行は、やっている連中が「善行」だと思っているところが、悲しいというか情けない。しかも、尚悪いことに、一般のカヤッカーではなく、業者が中心になってやっていることに、憤りさえ感じずにはおれません。

このツアーとは関係ないことばかり書いて申し訳ありませんが、ツアー中ずっとこういうことを考えていました。ワタクスがカヤックスクールを止める最大の原因のひとつが、この三位一体的悪行が備讃瀬戸で行われているという現実。カヤックスクールを止めて、何をするのかはお楽しみに。まずどこの業者が、誰がやっているのかを、できるだけ一般の方々に知って頂くつもりです。もう完全に腐ってしまった業者に話しても始まりませんからね。 我々は、早々と目的地に到着して、テントを張り食事をしてから、早速大きな入り江でレンスーを始めました。何故ツアーに出かけてまで練習ではなくレンスーをするのですか?そんな疑問をお持ちの方もいるでしょう。それはツアーをより一層楽しくするからとお応えしておきましょう。またレンスーはすればするほど「水の心」が分かって来ます。「水の心」が分かれば、「人の心」もより分かって来るような気がします。そして何よりも、フェリーなどを利用したりする気持ちは、なくなることはあっても湧いてくることは1000%ないでしょう。また港湾からカヤックを出すような行為は超愚かであることに気が付くでしょう!

続く

2008年6月18日水曜日

カヤックツアーを楽しむ前に



カヤックに乗っている人達を大きく2つに分類するとどうなるのでしょうか?色んな基準が考えられるが、ワタスは日頃から熱心にレンスーすることを好む人達と、できるだけそう言う状況を避けて漕ぐことを楽しみたいと考えている人達に分けることができるのではないかと考えています。

我々はいつもいつもレンスーをしている訳ではありませんが、心の中ではそうしていたいと考えています。上記写真の竹内さんもその内のひとりです。彼はまだカヤックを始めて間がありませんが、カヤックを始める以前から海に慣れていて、水を怖がらず、既に初心者の域を遙かに超えて来ました。これからが非常に期待されるひとりです。

出艇地からレンスー島まで2~3kmの距離を漕いで行き、そこで終日レンスーをして4時過ぎにまた同じコースを戻って来ます。つまり往復5~6kmを毎回レンスー以外で漕いでいることになります。大した距離ではありませんが、この間には、海の色々な状況があります。風が強いとき、潮流が速いとき、うねっているとき、大型船が通過しているとき、釣船がいっぱい浮かんでいるとき、それは毎回違っています。

まだ始めたばかりですが、毎回ロングロールが確実になっている西脇さんは、熱心過ぎるほどレンスー熱心です。非常に上手く上がれるとき、やっとのとき、全然ダメなときが入り交じっていますが、徐々に上手く上がれる確率を高めておられます。そして失敗をしてもすぐに沈脱をせずに、何度もセットのやり直しができるようになったのもひとつの向上と言えます。

転覆の瞬間ですが、転覆時のドボンという音も小さくなりました。そしてパドルで水面を叩かないようになりましたので、次回は最後の仕上がりの部分を確実に纏めていけるように、その部分のレンスーをやりましょう!

この土曜日は、一旦事務所まで戻りましたので、スシローで夕食をとりました。このような食べ物の写真をブログなどに掲載するのは、誠に持って不本意極まりないのですが、このウニの映像だけは特別です。2週間海に出られなかった茨木さんに、この映像を気持ちを込めてプレゼントします。

非常に楽しそうな表情の前田さんですが、どことなく「笑うセールスマン」の口元にも似ています。決してセールスマンではありませんが・・・。頑張らないことを頑張るのが彼のモットーではありますが、一時的には張りきって頂きました。少し肌寒い1日でしたが、それぞれに課題を持って有意義な週末でした。

趣を変えて、いつもとは違う浜に上陸しました。岩がゴロゴロしていますが、部分的に砂浜があり、それなりに長所も備えているので、偶にはこういう場所でも楽しまないといけないですね!

この日の休憩時の話題は「観覧車」でした。観覧車をどのように楽しむのか?どのように観覧車へ導き、どのように短い時間を過ごし、どのようにアプローチして、人生をバラ色に転換していくべきか?一度も乗ったことがないワタクス、良い勉強になりました。いやぁ~、観覧車って、本当に楽しい乗り物だったんですね!

このほとんどカヤックに乗らなかったカズミコリンは、ひとり自然観察会に徹しておりました。特にヤドカリ観察に関しては、既に権威の域に到達しているのでは・・・?ヤドカリ同士の宿の奪い合いを見て、すかさず別の場所から適当な宿を見つけては、ボランティアでレンタルを開始した模様です。まぁ言ってみれば家賃を取らない不動産業を始めたようですが、いつかヤドカリの恩返しもあることでしょう!



さて皆さん、この写真は何だか分かりますか?これはいけすを取り囲む石垣ですが、赤い線が2本引いてあります。最近の海面上昇を説明しようとしています。5年くらい前までは、大潮の満潮時でも下の赤い線くらいまでが限界でした。しかし最近では、大潮の満潮時には簡単に上の線まで海面が上がって来ます。ワタクスがカヤックを始めた頃は、もう15年以上も昔は、決してカヤックに乗ったままいけすの中を見ることはできませんでした。それが最近では潮位が高いときは、カヤックに乗ったままいけすの中に入って行くことができます。もちろん入ったことはありませんが・・・。

因みにいつも行く島々の砂浜部分も年々狭くなって来ているように感じます。大潮時に台風が来ると、潮が島の内部に入り込んで、通常は陸上部分の大半が水浸しになります。それこそそこに水溜まりができてしまう訳です。詳しい原因は分かりませんが、温暖化が原因であることは間違いないでしょう。そして、我々がいつもお世話になっている島々の浜が海水で埋まるのも、時間の問題ではないかと思います。

2008年6月9日月曜日

ゆうこりんこまねちレンスー会


久方ぶりにご登場の尾崎さんですが、ゆっくりノンビリと浸かりながら終日レンスーを楽しんで頂きました。諸般の事情でカヤックに乗れないこと半年以上でしたが、またひとつ進展を確実にして頂きました。これからは暖かくなる一方ですから、様々な事情から解放されるときに、我を忘れて遊びましょう!


いやぁ~、ヘロヘロになるまで、写真を撮るのを忘れてしまうまで、没頭して頂きました。田中さんはいつもレンスー熱心ですが、この日は一層の拍車がかかっていました。ハンドのライン取りで特別な感触を得られたようですが、あのライン取りを一度感じてしまうと、これはもう病みつきになっても仕方がありません。軽くフワリと・・・。いいですね!


まだカヤックを始めて数回目の西脇さんですが、只今ロングロールの完成度を高める為の猛レンスー中です。綺麗に上がるときと失敗するときの違いが明確で、失敗するときは、頑張ろうとして力が入り、その結果上半身が先に上がり、ロックする腕を前に突き出してしまいます。次回は少し力を抜いた形で色々と試してみましょう。また少し違ったレンスー方法も考えてみましょう。
カヤッキングは河でも海でも、常に転覆と隣り合わせの遊びです。しかし、河でも海でも、その転覆を直視しようとしていない人が結構沢山いるのではないかと思います。最近では、ほとんど聞かなくなりましたが、「転覆をしないための漕ぎ方をマスターすれば良い」とか訳の分からない理由付けをして、通るべき門を通過しようとしていない人がいました。最近では、そんなことを言っていた人は、やっぱり教えるのが面倒臭いのか、それとも指導法がよく分からないからなのか、「資格商法」へ趣を転換したようです。
今シーズン初参加の河本さんと菊田さんです。どちらも乗っているカヤックはノーライトデザイン社のフルカーボンシーカヤックです。14kgの超軽量シーカヤックです。スピードも出ますし、ツアーにも充分使えます。見た目はグリンランドカヤックに似ていますが、前後にラージハッチがありますし、初期安定は非常に良いです。スクーリングでも使用しています。もちろんロールもやりやすいです。また値段も非常にリーズナブルです。

さてこの画像の中の河本さんは、転覆した状態から何をしようとしているのでしょうか?少し離れたところにあるパドルを転覆したまま、泳いで取りに行っているのです。これがCPCの技術です。これができるようになるには、最低3つのプロセスを踏まなくてはなりません。またこういうレンスーは、転覆した時の精神状態を慌てさせない効果が絶大です。

パドルをキャッチしたあとに、落ち着いてシャフトロールで上がってくる瞬間です。久々の参加にも拘わらず、この日は絶好調の河本さんでありました。ピアノレンスーで鍛えた指先を駆使して、ハンドもバンバン上がりましたが、いよいよ「倉吉シーカヤック倶楽部」の部長の風格も出て来ましたね!

スクール3回目の脇田さんも、非常にレンスー熱心で、ロングロール完成まであと僅かの段階まで来ました。次回は左手のロックとやはり身体の不必要な力を抜くことを念頭に頑張りましょう。完成したら、「ゆうこりんの焼き肉ハウス」にでも、行きましょうか?カルビンコにホルモリンコにミノリンにロースコリンに・・・??
石井君のこのパドルバランスは何と命名すれば良いのでしょうか?両手が背中にありますが、このまま起き上がって来ます。後ろ向きの技術だけは、レンスーしなくてもできるのは何故でしょうか?今回はSDカードを忘れたので次回は動画撮ります。「バックぱどりんこバランス」とでも付けておきましょうか?またやって下さい。

いやぁ~、色々と新しいワザに挑戦して頂きました。アームピット・エルボー・ネックバック等など。次から次へとクリアーして頂きましたが、それなりに課題も残りました。またグローブの威力は、トクと拝見させて頂きました。次回は10mCPCに是非とも5000000001000下さい。

土曜日は「コマネチ撮影会」やりませんでした。汐見島では、「合同コマネチ撮影会」やりますので、その節は宜しくデス!この時ふとある歌詞が思い浮かびました。「だれも~こっちを~向いてはくれ~ません~。1年目のはる~立ちつくす~わたし~。道行く人々は~、日々を追いかけ~、今日1日でもぉ~確かであれと願う~。」