2008年8月28日木曜日

夏季蜜楽技術講習会<無人島拠点レンスー会>その2


カヤックを持っている誰もが上手くなりたいと考えていると思います。セルフレスキューはできても転覆の恐怖から解放されてなくいつもビクビクしながら漕いでいた過去の自分の姿は今でも良く覚えています。しかしキチッと教えてくれるくれる人は周りに1人もいないので、1人でレンスーするしかなかったのです。

今回の拠点レンスー会では、当初数人を予定していましたが、直前で少し増えて纏まった数のメンバーが揃いました。浜で休憩している人はほとんどなく、みんなそれぞれの課題に向かって、それぞれの発展段階に応じたレンスーを熱心にやって頂きました。「レンスー」という単語は「練習」という単語と意味が全然違っています。「レンスー」という単語には、「継続性・発展性・実証性・その他」が含まれています。もともと「練習」という単語もそういう意味が込められていたはずですが、その意味を剥奪したのは誰あろう、観光系シーカヤッカーの連中ではないでしょうか?麦酒(ビール)を飲みながら練習なんて、巫山戯るなとワタスは申し上げたい!
カヤックのレンスーにはそれを楽しむ環境が大切です。色々な環境が大切です。レンスー場所や楽しい仲間が必要です。またカヤックやパドルも大変重要です。上がりにくいカヤックや使いにくいパドルでは、すぐに疲れてしまいます。また何も準備しなくていきなりのレンスーでは、それはただの練習に終わってしまいます。いくら練習をしても疲れるだけで面白くない長続きがしないのは、それがレンスーではなく「練習」だからなのです。

もうメンバーの皆さんは良くご存知とは思いますが、ロールスクールに行ったのは良いけれども、何回かやってすぐに疲れてダメでしたとか、数回上がったけれども50回に3回くらいでしたとか、酷いのになると上がらないなら、波のあるところでサーフィンしましょうってのも実際にあったそうです。いくらロールスクールに行っても上手く上がれるようにならない理由は、そこでキチンと指導がなされていないからに他なりません。指導者も受講者もロール教室というのは、ロールをさせるあるいはロールをすることだと勘違いしている点がワタスは問題だと思うのです。(この文の意味がお分かりでしょうか?)

拠点レンスー会の海には、香川支部長に良く似たイエロープカプカマンが浮いていました。特徴は、至って温厚ですが、香川弁と岡山弁が得意のようです。しかしまだ岡山弁は発展途上でアクセントがもう少しというところです。特に岡山弁現在進行形の部分、つまり「~している」を岡山弁では「~しょーる」と言うのですが、ここがまだ自然に出てきていません。香川弁では「漕いでいる」を「こんぎょる」と岡山弁では「こぎょーる」になりますが、チョット似ていますね!牟礼町の支部長は、カヤックが好きでぇ~、いつもプカプカプ~カ~。
ロール教室の大半が、実はロール指導を全くやっていないことを皆さんはご存知でしょうか?ロールを教えて下さいって、「スクール」へ行ったら、「ロールはこうしてやるんです」ってチョイと話して、「それじゃフォローしますからやりましょう」ってすぐに始める訳ですね。確かにこれで上がれる人もいないことは無いでしょう。我々の世代はレンスー方法を無視して、闇雲に何年もかけて習得して来ました。しかし、スクールと名の付くところが、そんなんでお金を取ってはならないとワタスは考えます。

このところ公私に渡って多忙な原君の久々の登場でした。元々身体が柔らかい上に、毎日欠かさずストレッチをやっている(?)ので、カヤック出撃回数が少なくなってもその技術力はほとんど落ちない。彼がマジで1年間レンスーに励んだら、どんな凄いことになるのだろうかと時々想像をしてみるのだが、多分彼の返答は「1年中遊べても1年中はカヤックやりません!」って返ってきそうです。
最近滅多に顔を出せないので、写真を連続で2枚掲載しておきます。仕事や家族から離れての久々のキャンプは、極楽だったことでしょう!次回はその超柔らかい身体を活かして、また新技術を獲得していきましょう!
ノーライトデザイン社のケブラーラサです。形状的にはそれほどアピールはしていませんが、普通にして凄いカヤックです。とにかく安定が良くて軽くて取り回しが良いのでスクールにも使えて、しかもロールがもの凄くやりやすいのです。元々はハンドロール養成カヤックとして設計された(そげんこと誰もしらんやろ)のですが、なんとなんと乗ってみるとスクールにもツアーにも使えるオールマイティなカヤックだったのです。

無人島拠点レンスー会はあっという間に終了しました。お盆を過ぎて8月後半はいきなり涼しくなりました。レンスーをしている人は鳥肌が立つほど震えていることもありました。がこれから益々カヤックには素敵な時期に入ります。いよいよシーカヤックツアーには最適の時期になります。これから9月10月は毎年恒例のツアーを実施してあちこちへ出かけます。そして出かけた場所で、もちろんレンスーもやりましょう。ナイトウォークもやりましょう。野外音楽会もやりましょう!そして楽しい仲間を増やして、素敵なレンスー環境を創造していきましょう!有り難うございました。



2008年8月26日火曜日

夏季蜜楽技術講習会<無人島拠点レンスー会>その1





8月も後半に入り、少しく涼しくなり、水に浸かったあと風でも吹くとパドリングジャケットが必要になって来ました。お盆も過ぎて纏まったお休みも取れないだろうから、人もそれほど集まらないだろうと予想していましたが、とても賑やかな拠点講習会となりました。ご参加の皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。
集まって頂いた方々の習得目標は、技術面では色々でした。ロングRを覚えたばかりの方数名、ショートRはできるが、安定した内容までには至っていない方数名、パドルバランスやフロートバランスからのリカバリーをレンスーされる方が数名、ハンドRからフロントシャフトへ発展を試みる方が数名、またフロントロングなどの前傾系の技術に移行しようとしている方が数名集まって、キャンプや無人島の環境を味わいながら、ゆっくりノンビリと楽しんで頂きました。

上記写真を見て頂いたら、一瞬我々もグリンランダーの真似事をしているように思われるかも知れませんが、カヤックもパドルもそれとは違っています。まず我々はスキンカヤックを使っていません。またパドルもウッドパドルを使用していますが、グリンランドパドルでは全然ありません。この角度からバラキさんのカヤックを見るとまるでグリンランドカヤックのように見えますが、全く普通のシーカヤックです。
約2ヶ月のブランクの間に、カヤックデッキに改良を加えて登場のウイスパー氏は、まるでブランクを感じさせない動きで、ほぼ初期段階を脱出されました。レンスーの方法も大切ですが、カヤックの形状も非常に重要であるということが、3回のスクーリングで充分過ぎるほど認識されたのではないでしょうか!4回目は次のステップへ突入したいと思います。
纏まったお休みが取れるときには、拠点講習会には必ずご参加の琵琶湖支部長のレンスー内容は、確実に技術進歩に結びついています。前回はアゴ、今回はパドルF、そして次回はSFへと着実に階段を登っていかれることはマチガイナイと思います。そして、ゆっくり着実に進歩していかれる方を、ゆっくり着実におつき合いをすることで、新しい指導法もまた生まれて来ます。8月の日程をほぼ毎回初級ツアーに費やしていてスクールを名乗るところもあるが、それはお金儲けにはなるかも知れないが、そこにカヤックの技術指導の何かを期待することは非常に困難ではなかろうか。ましてや指導者養成とか認定などは、以てのほかではなかろうか!海との良好な関係を築く為には、あるいは技術向上の為には、とにかく熱心にレンスーされる方とのおつき合いを大切にする中で、お互いの目的が達成されながら形成されていくものと思います。
拠点講習会&レンスー会の楽しみのひとつがキャンプです。みんなと共に食事を作り、共にお酒やお茶を飲み、思い思いの話題を提供して、それぞれの考えが行き交ういわば自然発生的交流会になっていきます。お互いの少しずつの飲み物や食べ物を出し合って豊かな食事会になることもあります。時にホテルや民宿を利用することもないことはないですが、キャンプ生活をしなくてシーカヤックを語ることはできないと、ワタクスは考えています。

一回カヤックに乗ったらなかなか降りて来ない香川の大山さんは、ハンドRまであと一歩。完成までの道のりは、「練習」ではなく「レンスー」あるのみ。しかしそのレンスーでさえ後数回で、目標達成と予測しています。ハンドRで一番難しいのは、その上がり方ではなく、人生の中で如何に海に出られる回数を増やせるか?ではないかと、自分自身を振り返ってそう思います。
香川支部長のラサのボトムが国連の前事務総長の名前のような音がした。「ガリッ!」って。それを点検せんと裏返したところへ他の者が集まって来て、ボトム談義が始まった。全然キズらしきキズが入ってなくて、さすがノーライトデザイン社製のカヤックは素晴らしいとその良さを再認識。以前使っていたカヤックは、数年もするとすぐにボトム表面塗装が剥がれて、グラス繊維がすぐに顔を出していたのを思い出す。
レディース用キャブラックを持って「これは凄い」を連発して、遊びまくる香川支部長の身体の柔らかさと筋力は並みでは決してない。とにかくこの方の元気はどこから出て来るのか知らないが、カヤックに乗ったらいつもボトムが空を向いているし、浜に上がったかと思うとすぐにアザラシのように海に出て泳いでいる姿しか印象にない。そして常に前向きプラス思考は、誰もが知るところ。今回もまた大いなる進歩を体感して頂いたようです。
8月の前半は、限度を超えた暑さが続いていましたが、それでも無人島でのキャンプやレンスーはほぼ快適と言って良い状況でした。島ではエアコンも扇風機もないのに、さほど暑いとは感じないのに、ひとたび事務所に復帰すると、もうエアコンなしではやっていけない。アスファルトにマンションのセメント、車の排ガスにエアコンの室外機から出る熱風などなどによって、人が住む町は異常な暑さに包まれている。地球温暖化と言われてはいるが、水で囲まれている島は、すべてとは言わないが基本的に涼しい。キャンプするには有り難い場所です。
この無人島レンスー会への参加は、基本的にこうでなければならないという決まりはなく、参加日程など各自が自由に決めて頂いて結構。レンスー時間も特に強制はしません。そして技術指導に関しては、習得するための論理よりも、習得するための方法を指導します。もちろん論理は基本的に重要ですが、それだけでは習得に時間がかかってしまいます。色々なパドリング技術がありますが、ひとつの技術を習得するのに、その技術ばかりを口を酸っぱくして説明するのではなく、そこに至る練習プロセスを実践して頂くことで、よりスムーズな習得が可能になります。ハンドRなども、同じくハンドRをレンスーするのではなく、そこに至るプロセスをレンスーして頂くという方法は、実証系ならではの指導法ではないかと思います。
続く


2008年8月6日水曜日

ジンバブエシェ~シェ~レンスー会


神戸から楽しい仲間がやって来た。カヤックの準備をしていても、乗っていても、休憩をしていても、話をしていても楽しいメンバーだ。彼らから不平不満の声を聞いたことがない。楽しむ上でカヤックが上手い下手は基本的には関係がない。上手かろうが下手であろうが、一緒に居て楽しいものは楽しい。そして、何故そうなんかを考えることも時には重要だと思う。

この世の中に、何もしないでそう楽しいと思えることはあまりない。いやほとんどない。自分が何かをしかけていかなければ、楽しいコトが天から降ってくることはない。自分たちが自然の中で身体を動かすコトを楽しみたいと思い、自然の中に身を投じたが、実は全然面白くなかったと感じる人も結構いるのではないか。それは何故か?
自然を自分たちから楽しもうとしないで、ただ単に自然の中にいれば、自然が自分たちをもてなしてくれると勘違いしているからではないのか?ちょっと誤解を受ける書き方をしてしまったが、いつ行っても自然は我々をもてなしてくれているのだが、それに気がついていないから、だと思うのだが、皆さんは如何お考えでしょうか?
どこにいても何をしていても楽しいと感じられない人と一緒に居ると、折角のアウトドアライフが滅茶苦茶になる。レンスーをしていても、こんなこと何の役に立つんだぁ~?って、言う人はツアーに連れて行ったら、漕ぎ方教えてくれてないから、ツアーなんかは楽しくないと言うかも知れない。キャンプをしたら、暑いとか寒いとか蚊が出るとか、虫が出るとか、寝心地が悪いとかそういう気持ちで一杯になるのかも。
親にばれないように、職場にばれないように、友人にばれないように、恋人にばれないように、世間にばれないようにしている訳ではありませんが、一応「ジンバブエバレナイセクシィポーズ」で、決めて頂きました。「お店に来るときはみんなに内緒でね!」って、意味不明を沢山楽しませて頂きました。
今回も皆さん、またまたラベルアップ致しました。スイスイ漕げるようになった人。どこまでも漕げそうな感じになった人。10分でロール上がった人。潜るのが得意になった人。有り難うございました。次回はキャンプでもしませんか?名付けてジンバブエ焼き肉キャンプレンスー会。お待ちしております。