2008年5月8日木曜日

GWシーカヤック無人島合宿(後半)その1

ここに掲載されている写真は、合宿後半に撮影されたものです。実は今年3月に防水カメラを氷ノ山でなくしてしまい、新しいのを手に入れることを迷っているうちにGWに突入してしまいました。前半の合宿も大勢の方にお集まり頂き、楽しく過ごさせて頂きましたが、その時の写真がないのがちょっと残念です。ところで上記写真はとても楽しそうではありますが、一体何をしているのでしょうか?撮影したワタクスも良く覚えていませんが、自然の中で身体を動かすことの素晴らしさ、生活することの楽しさを身体で表現しようとしているようにご理解頂けたら嬉しいです。シーカヤックというモノを通じてではなく、シーカヤックのレンスーを通じて、大自然の中で躍動するの心の交流も深めていっています。

入り江でのレンスー風景の一コマですが、今回の合宿では、各自の発展段階に応じたテーマに加え、もう一回基本操作に戻ることにしました。そうすると、以前から感じていたことですが、非常に難しいことはクリアーしているのに、基本中の基本の一部が脱落していることに気が付きます。特に中間ポジショニングが要求される技術がやはり非常に難しいことに気が付きます。中間ポジショニングが要求される技術の一つにはドローストロークがあります。多分、いやきっと、ロールは非常に上手いがドローストロークは非常に苦手という方は、沢山おられるのではないかと思います。その原因のひとつは、ネイミングにもあるように感じるのはワタクスだけでしょうか?
後半合宿一番乗りの片山さんのレンスー熱心ぶりは目を見張るものがあります。参加される度に常に新しい領域を獲得され、水とのコンタクトがより一層深くなりつつあるように感じました。今回の合宿では2ランクアップの進展ではなかったかと思いますまた焚き火を囲んでの夕食を共にしているときに、あれやこれやのお話をしている内にあっという間に夜が更けていきます。だいたいに於いて食事時やお茶タイムの時は、カヤッキングの話はあまりせず、仕事の事、家族のこと、資産運用のこと、退職後の人生設計のこと、政治経済のこと、そうした内容がほとんどです。
参加者各自のレンスー時間はまちまちです。仕事で疲れている人や催眠不足の方は、浜辺で寝そべってゴロゴロと1日を過ごされる場合もあります。またバリバリ元気な方は、終日レンスーに耽る方もいます。レンスー時間は強制されることなどは全くありません。またその日の天気よっても左右されます。好天で水温が上がれば、自ずとレンスーも楽しくなってきます。しかし、一番レンスーに於いて重要なことは、レンスーの発展段階を知ることではないかと思います。



レンスーの、あるいは技術の発展段階を知るには、このような体験を何度も積む必要があるのではないでしょうか?!滅多に転覆はしない、あるいは滅多に沈脱はしない、だから大丈夫と考える人は沢山いるでしょう。また1人ではなく仲間と出かけるから、それだけで大丈夫と考えたい人もいるでしょう。でもワタクスは、滅多にしないが100回に1回程度の割合でもやはり沈脱は沈脱であり、そこがまたレンスーの新たな出発点でもあると考えます。日頃レンスーもしない、転覆もしない、従って沈脱もしない人が、荒れた海へ出てそこで初めて沈脱をしたらどうなるか、皆さん想像してみて下さい。自分だけでなく一緒に漕いでいる友の生命をも危険に晒すことになります。因みに写真の方は、1000回に1回程度の、非常に希なる貴重な瞬間でした。

レンスーなんて馬鹿馬鹿しい、なんで好きこのんで転覆したり傾けたりしなくちゃいけないんだ?と考えている人がまだまだ沢山いるのでしょうか?何も傾けたり転覆したりするのがレンスーのすべてではありませんが、カヤックが転覆を前提とした乗り物である以上は、平面的な動きの「練習」だけでは、全然不十分であることは言うまでもないことです。観光カヤッキングのエリア内で「観光系お遊び」を楽しむのであれば、それでもう充分なのかも知れませんが、全く管理されていない、あるいは全く管理できない海で出かけるときには、考えられる色々な場面&状況を想定したレンスーを日頃から心がけていかなくてはなりません。 写真のお二人は常連メンバーの絹本さんと渡辺さんですが、とっぷりと自然に溶け込むことは元より、レンスーも非常に熱心です。そしてレンスーだけではなく長距離ツアーにも時間が許せば良く顔を出して頂いていますが、こういうお二人と一緒に行くツアーは、非常に楽しい。強風が吹いても海が荒れても、全く心配する必要はないからです。その安定したパドリングの基礎はやはり日頃のレンスーの賜と言えるでしょう!
このGWのころの水温はやや低く気温は一定してしません。北よりの風が吹くと非常に寒く冬のようになり、晴天で南からの風が吹くとまるで真夏のように暑くなります。そして夜は冷え込む場合が多く、適当な準備をして夏用のシュラフしか用意していないと、朝方は凍え死ぬような(大袈裟だね~)こともあります。ですからこの時期の合宿の準備は、真夏も真冬も想定したウェアリングが必要になって来ます。昼間は半袖半ズボンでも夜は長袖シャツにジャンパーや防寒ズボンなどが必要です。
 細身のシーカヤックに乗るこの女性は合宿初参加でしたが、誰もが羨む自由奔放な生き方を実践されていて只今全国行脚中と書いておきましょう。ある時は空を舞い、そしてある時は海の旅に出かける。活きる場所楽しむ場所は岡山とか日本とかのスケールではありません。今日は岡山でも明日はヨーロッパアルプスの峰々を足下に空中遊泳しておられるかも知れません。ミドリ先生のストレッチ教室は大好評でした。翌朝は皆さん早速実践しておられました。また来てねぇ~!



ミドリ先生の自己紹介をしみじみと聞いていた倉橋さんの表情には、「ウラマヤシイ」と書いてありました。いや倉橋さんだけではなく他の皆さんも、いやもちろんワタクスも驚きました。しかし驚いているだけでは意味がありませんので、いつか我々もそういうことが出来る時代を作っていきましょう!大企業で働いているとどうしても転勤は付き物ですが、いずれは地元に戻って生活するようになるはずです。ここで知り合った仲間が、戦い終えて故郷に戻る頃、みんなで全国行脚しませんか?北海道もいれば関東もいるし、京阪神もいれば、中四国もいます。テント担いで放浪の旅、自由の旅、いつかやりましょう!
後半の合宿もあっという間に終了しました。これからも仲良く楽しくやりまっしぇ~!って言う意味でパフォーマンスをやりました。朝5時過ぎには起きて、3食とも当然自炊をして、昼間は適当に休憩を挟みながらレンスーに取り組んで頂きました。夕食はだいたい7時前後に終えて、それからティータイムあるいはアルコールタイムが10時過ぎ頃まで続く訳ですが、本当にあっという間の1日でした。それでもこうしてレンスー熱心な、自然が大好きな人達が集まると、何故かほんの少しの時間でもそれなりに進展があるものです。仮に何もなかったとしても、大きな意味があったと感じずにはいられない何かが大自然の中にはあるような気がします。(続く~)