2011年10月4日火曜日

仮定の話ですが・・・責任は誰に・・・?

~初心者が他の人の高級カーボン艇に乗って、パドルを折り艇に傷を付けた~
               このときの責任は誰に・・・?

ワタシを含め10人くらいで、どこかの島の入り江でカヤックの練習をしていたとしよう。みんなそれぞれの目標を持って練習をしていたとする。その10人の中に、非常に豊富なパドリングテクニックがあり、高級カーボン艇にウッドパドルを持っているBさんがいて、それを他のみんなが一人ずつ乗って楽しんでいるとしよう。しかし、超初心者のA君がひとりいたとしよう。そのA君は、ロールはまだ覚えたてで時々失敗もして沈脱をするレベルとしよう。

だからA君は、その艇に乗って華奢なパドルでロールをしようなどと全く思っていないのに、ワタシが彼にその艇に乗ってその華奢なパドルでロールをするように命じたとしますね。A君は、やりたくはなかったのだが、ここでやらなければ消極的な奴だと思われるので、その豪華なカーボン艇とパドルを借りて少し沖へ出てロールを試みたとしよう。

そのときに思いっきり力を入れてブレードに体重をかけたので、そのブレードの先端が折れてしまった。そして沈脱をしてカヤックは流れて行き、海から露出している岩礁にぶつかりカーボン艇のボディに傷が入ってしまったとしますね。

この時にワタシがA君に、すぐさまBさんに謝るように言うだろうか?これはA君に命じたワタシの責任は100%で彼には全く責任はないと考える。そもそもパドルを折るかも知れないA君に他人の高級カヤックに乗るように命じたりしないけれど・・・ね!もしこれを周囲の第三者が、何故力を入れすぎてパドルを折ったのですか?アナタは初心者だからもっと気をつけるべきですとか、礼儀をわきまえるべきとか、そんなことを言って説教をなどしようものなら、それは馬鹿とした言いようがない。

ワタシならパドルもカヤックも全部ワタシの費用で新しいのを用意して、Bさんに謝罪するでしょう。A君には1%も壊した責任はない。とワタシは考える。

第三者が事後に、A君に対して、何故ブレードに力を入れすぎたの?もっとやさしくしなきゃ駄目でしょう!また沈脱したらすぐにカヤックを起こして、浜に戻って来ないから岩にぶつかったんでしょう!などとお説教するとすれば、その第三者は間抜けとしか言いようがない。力を抜いて確実にあがれないから力を入れ、カヤック起こして泳いで戻って来れなかったから岩にぶつかったのであって、意図的なものは100%ないものを、いくらお説教をしても始まらない。

しかし、どこへ行っても、自分が命令をしておいて知らぬ顔をする似非指導者や突然に経験豊富なアドヴァイザーになって、責任のない被害者にお説教をしたい日本人はいるもんなんですね!そうかと思うと、嫌な空気を感じるや否や、その場からあっという間にトンズラを決め込む「理性的」な方もおれば、あのパドルやカーボン艇はとても傷つきやすいことを知っておくべきだなどと偉そうなことを後になってから言う日本人は結構いるんでしょうね!

実際にスクールではロール指導中というか練習中にこれまでに何本も折れたことがあります。しかしそれは折った人の責任ではなく、それを見抜けなったワタシの責任なのですね!何故折ったのか?って、そういう問題じゃないんですね。どうしてもっとやさしくしなかったの?そういうことができなかったからそうなったのであって、それは意図的じゃないって言ってもそれが理解できない日本人は、彼方此方にいっぱいいるのかと思うとゾッとしますね!

ところで話はちょっとそれますが・・・・

パドルは折れたらまた新しいのを作れば良いし、カヤックがぶっ壊れたらまた買えば良い。ガタガタ言うことはない。形あるものはいずれ壊れ駄目になるが、修理したり新しいのを、金を出せば再び手に入れることができる。ガタガタ抜かすんじゃねぇよ、バカタレがぁ~!って、仮定の話になんでそんなに熱くなってるの?

ワタシが本当に言いたいことは、車でも自転車でもパドルでもカヤックでもちょっと傷がいった程度でブツブツ文句を言う人が一杯いるのに、原発事故で住む家や職場を追われて大変なことになっているのに、そういうことには見てみぬ振りをしてはいませんか?!と言いたいのですね!また性質の悪い政治家や官僚が好き勝手に税金を使いまくって予算が足りないって言うと、黙って増税を認めてしまうのは何故?