2011年6月9日木曜日

一点集中

シーカヤックでもリバーカヤックでも自分の現状を打破して技術力その他をアップさせようと思うときに、一番重要なことは、まず一点集中することではないかと思うのです。もちろん色々と試すことも時には重要なので、そのこととチョット矛盾するような言い方ではありますが、やはり基本は一点集中ではないかと思うのです。

しかし一点集中とは言ってもナニをそうすれば良いのだろうか?まず練習場所の確保ではないだろうか。毎回違う場所へ出かけて楽しい経験をするのも良いとは思いますが、できれば同じ場所同じ環境でやるべきだと考えます。その理由をここで書くことは省略しますが、ひとつには精神的な集中力を高める為にはそれが要求されてきますので・・・。

そしてその次に自分がまず獲得したい技術的項目をひとつかふたつほど心に決めておきます。朝から晩までそればかりと言うのはさすがにチョット辛い面もあるので、それらの技術項目を習得するために役立つそれ以外の練習項目なども仲間に入れて前座的にやるのも効果的かも知れません。

随分昔の話ではありますが、全般的にとても上手な方がワタシのスクールを受講に来ていたのですが、どの技術も一見上手そうに見えるのですが、どれもが完成していなくて、例えばハンドロールなども時々できるのですが、確実ではなくやはり失敗もして沈脱もしていました。そこまでできる人ならば、パドルのロールは完璧かというとこれも実は中途半端でしかなく、できるときとできないときがありました。

ちゃんと構えてやるとパドルのロールはできるのですが、ハンド失敗の時のパドルロールはかなり成功確率が下がっていました。そこでワタシはパドルロールの不確実性を指摘してそれを克服するように練習方法の指示を出したのではありますが、その方はそれを数回やってまぁまぁできるとすぐにそれをやめて、他のことをしていました。ロールだけでなくその他の技術についても同じような状況が続き、2年ほどの期間でワタシの目から見た進歩はほとんどありませんでした。

キチンとした練習モードに入れば、相当に腕を上げることができる身体的能力を備えながら、その場その場での遊びを楽しむことを優先的に選択している傾向が強く見られたので、ワタシはただただ傍観するのみでしたが、今でもとても残念な思い出のひとつです。ワタシにその方の身体的能力があれば今じゃきっとカリスマだろうな・・・と勝手に思う今日この頃です。今住んでいる場所もカリスマですけどね・・・?

まぁこんなことが分かっているのではありますが、全く畑違いの音楽の世界では、一点集中がなかなかできなくて苦労しています。練習方法が確立されていないので仕方がないとは言えバラバラ過ぎて取り付く島が見つからないと言うのが現状ですが、カヤックだって最初の7年間は練習をしようと思っていても、その方法が分からずただただ漕ぐだけでしたから、そのことを思い起こせば、バラバラ練習も通るべき駅のひとつかも知れませんね!

そのバラバラ練習も先日から少し環境を変えてみたら、随分変化をして来ました。事務所の中でコソコソと泥棒がナニかをする如くやっていたので、一向に身が入らずでしたが、3日ほど前からある練習広場を発見してそこへ環境を移動しました。全力でやるともう20分くらいでヘロヘロになりますが、以前は事務所内で3時間くらい連続でやっても全然大丈夫でしたから、如何に事務所内での「泥棒行為」が練習になっていなかったかがよく分かりますね。

そんなような訳で、カヤックで練習をしようと思っていてもなかなか一点集中型の練習に入れない方は、環境を変えてみることをお勧め致します。練習する場所も大切ですが、練習する仲間も非常に大切です。中には一生懸命に練習をしようとする行為や人を馬鹿にするような感じの人も結構いると思いますが、こういう方々と一緒に乗っているといつまで経っても練習環境は生まれません。自分自身がカヤックに乗っている以上、海とのコンタクトを高めるんだと言う気持ちをもっと前進させたいならば、自ずと「観光気分」は排除され、恐らくはひとりででも練習環境を構築していくべきだとワタシは思いますね!

そうすればそこにはまた不思議なことに新たな道ができ、熱心な方々が集まってくるに違いないとワタシは今も昔もそう信じているのであります。人間の世界って疲れることも多いけれども、楽しいことが多すぎて困りますね!