2008年10月14日火曜日

小豆島Rトレック 9分の4終了

今年はツアーはもうやらないと言ってから、何回目のツアーだろうか?どこぞの閉店セールと同じようなもん、って言われていますが、そう言えば、小豆島ツアーもこれで終了と言ったのは確か3年ほど前のこと。その頃、インチキ業者がフェリーを利用して、小豆島ツアーをする回数が増えていました。本線航路が横断できないことや、パドリング技術の未熟さから、海峡の横断ができないからフェリーを利用するのだろうけれども、あまりにもインスタントでお粗末なツアーが横行するようになったのが、大きな原因のひとつでした。


日曜日のちょうどお昼頃に小豆島の北東の端の金ヶ崎での記念シェ~。午前6時過ぎに出航して、僅か10数㎞の距離を、逆風に阻まれ6時間かけて、漕ぎきりました。3日間の中で最もシビアなコースでした。写真には4人しか写っていませんが、他にも東さん、渡辺さん、森野さん、田中さんが参戦する予定でしたが、直前で仕事や家庭の事情で参戦できなくなりました。またパドリング絶好調の菊田さんは、コースの2分の1を過ぎた辺りで、某所から帰還指令の連絡が入り、継続を断念し、すぐさま漁船をチャーターして、出発点へ。トレッキングが9分の4しか終了していないと言うのは、実はこういうことなのです。


午前7時頃、大角鼻を回って東海岸に向かおうとしている時の海面です。早朝から少し強めの風が吹いていたので、パドリングアルバイトは厳しいだろうなとは、ある程度は予想していましたが、相当に荒れた状態でした。強風波浪状態ではないが、かなり強めの風が吹いていました。遠くから見てもそれが分かるほど海面はギザギザデコボコになっていました。ある人にとっては、瀬戸内海では滅多に味わえないパラダイスですが、また他の人にとっては恐怖の激波エリアと言えます。


青江さんは、近場の海域で3年間みっちり基礎錬成を積み上げ、今年は既に瀬戸内海横断を含め数多くのトレッキングに参戦されています。爆裂している海を前に、「青江さん、どうされますか?」と尋ねると「行くしかないでしょう!」と言う返事が返って来ました。この時の波は2m前後でうねりも少し加わっていました。こうした波に直面して、いつも思うことは、どんなに天気が良くても、もちろんこの日の天気も別に荒れた空模様ではありませんでしたが、小豆島一周には、こうした海の状況が付き物で、結局は基礎訓練を積み上げ獲得された、ある程度のパドリング技術や経験が要求されてきます。海峡横断ができないガイドが海峡横断をできないシーカヤッカーを連れて、フェリーを利用して行けば、小豆島一周できると考えるのは、あまりにも愚かで海を舐めた行為という他はありません。


荒れた海を談笑しながら進める前田さんと菊田さんですが、「ここで1日中遊んでいたいですね」って、話しているのかも知れません。この大きく荒れたエリアを越えた後は、漕いでも漕いでも進まない、直線コースが待っていてくれました。我々が漕いでいる間中、強い風が吹いて、日頃の運動不足を痛感する6時間でした。

こうした荒れた小豆島の海の写真を出して、我々は凄いトレッキングをやっただろうなんて幼稚な気持ちは欠片もありません。確かに、何の訓練も受けていない初心者がいきなりこんな状況の海に直面したら、間違いなく転覆してしまうでしょう。だから行くなと申し上げているのでもありません。今年春に始めたばかりの脇田さんのように、真面目に熱心に真摯に基本技術をキチッと習得していけば、ほんの数ヶ月で、「荒れ狂う」ように見える海でも、パラダイスのように思えてきます。くるはずです。

シーカヤックスクールがキチッとしたシーカヤックのスクーリングをしていれば、小豆島ツアーや一周ツアーに於いて、フェリーを利用するなどという考えは全く出てこないはずです。それは海に対する、またシーカヤックに対する冒涜以外の何物でもありません。また以前何度も書きましたが、フェリー利用は、神様が折角与えて下さった小豆島の備讃瀬戸配置の配慮をも無視しているのではないでしょうか?!

たかが6kmや8kmの海峡横断のガイドができなくて、どうしてプロのガイドと言えるのでしょうか?初めて来た人を1人前の漕人(そうじん)に育て上げる技術も経験もないし、またそうした努力も全くなされていないのではないか?!どうやって初心者を育成して良いのか、サッパリ分からないから、ジャスカとかJRCAの「認定」が欲しくなるのではないでしょうか?しかし、よくよく見ると、こうした「認定」をしている人達も、実は「どのように育成するべきか」全然分かっていないのではないか?それは、皆さん、彼らのHPの予定表を見れば、一目瞭然です。 ほとんどスクーリング予定が書かれていないのです。不思議ですね!

小豆島一周は、少しの努力としっかりした基本技術があれば、それほど難しいコースではありません。また距離も80km~100kmを3日で漕ぐ訳ですから、本当に凄い経験がある人から見たら、幼稚園児のお散歩コースのようなもんです。この島を一周したから凄いだろうと言うようなモンではありませんが、またぞろフェリーや港湾を利用して、小豆島を汚そうとしているインチキツアーを計画しているガイドがいるようなので、書かせて頂きました。

9人の内、4人は昨日無事に、出発点まで戻って来ましたが、CSCシーカヤックスクールの最後のトレッキングは、行きたい人を5人以上も残して、終了する訳にはいきませんので、最後のトレッキングは、またやりたいと思います。これでは益々「最後のトレッキング商法」と言われそうだなぁ~。 でもシーカヤックスクールは、今年で止めます。でもそのあとが面白い展開になると思いますので、乞うご期待下さい。