2008年6月24日火曜日

汐見島探検ツアー その2

目的地に到着して、テントを張り休憩していると、ワタクスはいつの間にか眠りに落ちてしまいました。気が付くと既に皆さんは入り江でレンスーモードに突入していました。そんなときには、一体誰が教えるンですかって疑問の方もおられるかも知れませんが、技術体系や指導体系がある程度整えば、いつもいつも誰かが指導していなくてはならないということは全くないのです。各自がそれぞれのテーマに向かってやるべきレンスーを少しずつこなしていけば良いだけの話なのです。
いつもストレッチに励む香川支部長殿ですが、それほどの長時間は必要ないとのこと。ワタクスはかなり長時間のストレッチをしているが、なかなか身体が柔らかくならない。身体が柔らかいとカヤックの色んな技術を吸収するのに、非常に役立ちます。柔らかければそれで良いというものではありませんが、柔らかいとそれだけ吸収する時間が短時間で可能となります。
カヤックのレンスーを終え着替えを済ますと次は、ハーモニカレッスンの指導を受けられる方もいました。ハーモニカの先生は、いつも合宿やキャンプツアーの時に、心に染みいる素敵な曲を演奏して下さる絹本さん。習っているのは、ハンドロール完成まであと僅かの段階にまで到達した茨木さん。何でもそうだと思うのですが、何かに取り組むときには、やはりその世界に入り込む努力が本当に大切ですね。しかも、基本事項をみっちりレンスーすることも。
天気予報では日曜は昼頃まで雨模様ということだったのですが、有り難いことに夜明けと共に雨は上がりました。前夜のミーティングでは昼頃の出航予定でしたが、予定変更して10時過ぎには島を後にして、帰還することになりました。 今回使用したカヤックのサイズは、長さが4.8mくらいで幅が55cm~57cm、重量は14~17kgの超軽量コンパクトカヤックです。すべてノーライトデザイン社製のものです。1泊2日から2泊3日程度のキャンプツアーなら、この程度のサイズのカヤックで充分です。
一晩降り続けた雨は、夜明けとともに上がり、帰りも心地よいパドリングをすることができました。沢山の水分が蒸発し始めて辺りはガスが立ちこめて視界が若干悪かったのですが、航路横断には支障はなく、スムーズに戻って来れました。もう少しガスっていたら、航路の横断は時間をずらす必要があったでしょう。他のカヤッキングエリアのことは良くは知りませんが、この備讃瀬戸エリアでは、梅雨時はカヤックツアーにある意味で適した時期と言えるでしょう。もちろん豪雨や雷は避けなくてはなりませんし、強風波浪も嬉しくはありません。しかし、だいたいこの時期は雨が降っても長引かず寒くなく、海水温度も暖かいので、過去に於いてあまり苦労した記憶がありません。ワタクス個人的には真夏の炎天下のツアーよりも、こうした曇り空の天気の時の方が、ツアーは気持ちよいと思います。
我々は通常の週末は、往復5km~8km程度の距離しか漕いでいません。片道2~4km程度です。往復に要する時間は30分から60分程度ですが、これは一種の準備運動と整理運動と考えています。もちろんツアーのレンスーにもなっています。そしてレンスー島では、いつも色々なレンスーをしています。各自のテーマに従って、段階的にレンスーを継続していきます。この汐見島ツアーも、そうした日頃のレンスー基盤の上に初めて成立しています。
雨上がりの幻想的な風景です。こういう景色を見て、オラもワタスも行きたいと感じられる方が沢山いるなら嬉しいですが、レンスーもせず、基本技術もマスターせず、ただただインチキガイドのいいなりになって、どでかいカヤックを用意され、いきなり遠出をするようなことだけは絶対に避けて欲しいと思います。セルフレスキューはもちろん、転覆したら確実に起きあがれる技術を最低でも1種類以上はマスターして、1日に20~30kmは楽勝でパドリングできる程度の状況は創り出してからでも決して遅くはありません。カヤックのレンスーはいくらやってもし過ぎるということは絶対にありませんので、自分の命を守るということだけでなく、カヤッキングの本当の面白さや楽しさを見つけて頂きたいと思います。

続く