2008年5月14日水曜日

本村散策

本日は所用で宇野から小型船に乗って本村(直島)へ行って来ました。宇野から本村まで約20分で到着。シーカヤックだと約1時間くらいでしょうか。もちろん宇野港から直接シーカヤックを出すなんて愚かなことは絶対にしませんが・・・。これまで本村の港の近くへは、シーカヤックで数え切れないほど来たことがありますが、本村へ上陸したことは一度もありません。

これが小型船の船内ですが、写真で見るとなんと結構綺麗に見えますが、相当に古い代物です。椅子に座っているとエンジン音が直接身体に伝わって来ます。天井や窓枠の作りが、子供の頃に利用していた国鉄の列車の車内の作りに良く似ています。多分同じメーカーが作ったのかも知れません。でも窓の外は瀬戸内海と言うのが何とも妙な感じでした。色んな意味で複雑な気持ちでした。

窓の向こうに見えるのが、玉野競輪場方面。ここからは見えませんが、山の上に看板だけがよく見えます。この看板を見ると、私営ギャンブルは駄目で何故公営ギャンブルはやっても良いのかといつも思ってしまうのです。しかも不思議なことに、私営ギャンブルは駄目だと言いながら、窓口の操作だけで実質認められている訳ですから、大人の世界は欺瞞に満ちていると、子供達が思っても不思議はないし、世の中に対する社会に対する不信感は増幅されることはあっても、縮小されることはないだろうなぁ・・・。
ふとそんなことをボンヤリ考えていたら、船は動き出しました。窓の外の景色は、一気に海の景色に替わりました。三井造船の工場を右手に見ながら、船は家島の西よりに進路を取りました。基本的に船は右側通行だが、直島と諸島の間を南に向かって進むときには、ワタクスはいつも左よりのコースを取ります。その詳細理由は説明しませんが、左を通行した方が安全だからです。そしてこの初めて乗る小型船も左よりの進路を取りました。

乗っている20分はあっという間に過ぎて、本村へ到着です。この程度の距離であればシーカヤックで来ても良かったのですが、雑用に追われていてカヤックを出したりしまったりウェアーを着たり脱いだりするのが鬱陶しかったと言うのが正直な気持ちですね。かと言って観光気分やお散歩気分で着たわけではケッステありません。またこのところ人気を集めているらしい「家プロジェクト」にも興味があって来たわけではありません。

およそ地元の人と思われる10人くらいの乗船客と一緒に小型船を下りました。海に白波が立つほどの風が吹いていたが、船から下りるとその風が、心地よく全身にぶつかって来ました。長時間当たっていると、寒いほどの強さだが、集落の中に入って行くと、すぐにその風はもう全く感じなくなりました。

本村に入って最初に目にしたのが、この「空き缶アート」のお家でした。「お店」と言いたいが、お店の構えではなく、民家そのものでした。うどん屋にしては値段が高いなぁと玄関前に置いてあるメニューを良く見ると、うどんの「う」の字もなく、・・・・うぅ~どうでもいいやとすぐにこの場を去りました。ワタスの心の隙間にはこうしたアートを楽しむ余裕は猫の額ほどもないのです。

ここが話に良く聞くうどん屋で~す。この時間はちょうどお昼時でしたが、この時はお腹が空いていなかったので、所用を済ませてから寄ろうと思い、2時過ぎに行くと、既にお店は終了していました。へぇ~早いのねと別に後悔することもなく、ここから風戸へ向かいました。本村からは夕方にならないと宇野行きはなく、歩いて直島の反対側の宮浦港へ。

この写真には写っていませんが、平日だというのに観光客がこの界隈を歩いていました。もう見るからに地元の人ではなく、多分都会から来た人達であろう若者が何かを求めて歩いていました。また外国人カップルの多さに驚きましたね。ワタスはこんな感じの田舎で育ったのでさしたる感動も驚きも覚えないが、確かに小綺麗な家並みにしている努力は感じ取れました。強いて感じた何かを表現するとすれば、このような酒屋が残っていて営業活動をしているらしい光景の中に自分が立っていることに多少の時間の屈折を感じたことでしょうか?

このあたりはどこの家もほとんど板壁が黒く塗られていて、スッキリした感じでした。ここを訪れる観光客は、こうした家並みや光景に感動を覚えることができるとしたら、一体どんな環境で育ったのだろうか?と一瞬考えてしまいました。あるいは、ワタスには全く普通に見えるこうした家並みがもうどこを探しても簡単には見つからなくなった光景なのだろうかとも推測をしてみました。
宮浦港へ向かう途中でこんな意味不明な建物を発見しました。古いだけじゃ無くてとにかくボロいのです。どことなく修繕したようなしてないような、整理されたようなされてないような、それでいて妙に惹きつけられるので、ちょっと寄ってみたら、入り口で「鑑賞チケット」を持っていますか?って訊かれて、ワタクス唖然として開いた口を更に大きくして、ア~ウ~ア~ウ~って心の中で倒れながら、叫びながら、超近代的アート建築を後にしました。でも中に入っている人結構イマスタァ~。

これ、スゴイ建物でしょう~!なかなか凝った作りでしょう~!まさか町役場じゃ~ないでしょうねぇ?まさか箱モノじゃ~ないでしょうねぇ~?中にちょこっと入って見たら、訪れている人は非常に少ない。その数に反して職員の数は結構いる。出納係のところには窓口が2つあって、その窓の数だけ女性職員がいる。仕事らしい仕事をしている風には見えなかったが、刻一刻とそうした職員へも給与が発生している訳ですよね。苦労して働いた人達からの給料から税金が情け容赦なく天引きされ、それがほとんど何もしていないような職員に支払われていく現実が、もしあっちにもこっちにもあるとしたら、日本は一度全部解体して一からやり直さないと、沈没するんじゃないだろうかと思ってしまいました。