2008年5月8日木曜日

シーカヤック無人島合宿 その3

雨らしい雨が降ったのは5/5でしたが、夜明けと共に降り止んでくれました。時折思い出したようにパラパラと来ましたが、どうってことはなく、水に浸かるとちょっと寒いかなといった程度でした。それでもレンスーは滞りなくやり、夕方から周辺の島を散策に出かけました。
もう雨は完全に止み、風もなく穏やかな感じが辺りを支配していました。キャンプしている島の入り江を一歩出ると、穏やかに見えていた海は潮の干満差で勢いよく流れていました。しかしその中をパドリングするのもカヤッキングの楽しみのひとつで、備讃瀬戸エリアでは、至る所に潮流が発生します。
その潮流の流れる方向は、上げ潮と下げ潮で向きを変えるということはあっても、あっちへ流れたりこっちへ流れたりしている訳ではありません。しかし、その流れ方の勢いは常に変化していて一定であることはまずありません。大潮の時や風が強いときあるいは低気圧が接近している時などは、時として恐ろしいほどの流れになることがあります。

調さんが漕いでいる向こうに見える岬の更に向こう側へ出ると、しばしば河のように流れています。海ではなく河そのものの流れのように波立って、時にはゴーゴーと音を立てて流れるエリアです。こんな穏やかに見えるときでも、そこへ行けば、河がありその流れを楽しむことができます。
しかしキャンプ島を出てすぐのところに期待した河はなく、穏やかそのものでした。少し物足りなさを感じながらも、静水を楽しみながら、大型船の通過する航路を横断して、お隣の島まで向かいました。いつも大きな船が行き交う海域なのに、さすがに大型連休中とあってか、その姿はひとつも見あたりませんでした。

お隣の島まで来ると潮は僅かに流れ初め、すこし流れを感じ始めました。 いつも来て良く知っている海域だが、新しい方と一緒に来ると新鮮な場所に思えてくるのは不思議なことです。波立ってはいないが、潮は徐々に速くなって来ていて直島諸島らしい雰囲気が漂っていました。
この島に到着する頃には、潮の流れが形になって現れ、表面が少しざわついて来ました。備讃瀬戸エリアでは、上げ潮の時、つまり干潮から満潮に向かうときに、潮は基本的には東から西へ流れる。誤解しないで頂きたいのは、あくまで基本線としての流れが東から西へということで、どこでも東から西へ流れているわけではありません。 お隣の島を1周して正面の島(キャンプ島)へ戻りますが、もう海全体がざわつき始めました。この辺りの潮は一定方向へ流れても良さそうな感じですが、見た目よりは複雑に流れています。これくらいの表情の時でも、初心者にはなかなか厳しい状況であるとワタクスは考えます。因みにスイスイとパドリングしているミドリさんは、久しぶりとは言え全然初心者ではありませんので、むしろ物足りなかったのでは・・・?
潮流の話に戻りますが、この備讃瀬戸では上げ潮の時には、東から西へ流れている訳ですが、その流れが島にぶつかって反転したり、海底の形状によって複雑になったりと、一様な場所は少ないです。ロクにカヤックツアーの経験も無いアンポンタンレポーターが知ったかぶりで「上げ潮流や下げ潮流を利用したカヤックツアーをすれば快適だ」などと、書いているのを以前読んだことがあるが、上げ潮流と下げ潮流を知っているだけでは、潮流を利用したカヤックツアーは残念だけど「無理」です。(続く)